
先に結論から申し上げますが、資格を持っているだけでは就職活動は楽になりません。
難関資格を持っている学生より、良い性格の学生の方があっさりと内定はもらえます。
例えば英語のスキルが高い学生がいたとしても、レベルはたかが知れています。
英語レベルが高いだけの学生なんて不要です。
母国語が英語で日本語が話せる人を雇った方が成果が出やすいからです。
しかし業界や企業によっては特定の資格を持っていた方が、就職活動が有利に働く場合があるのは事実です。
そこでこのブログ記事では就職活動が有利になる資格と、持っていても関係ない資格をまとめてみました。
資格取得を考えている学生さんはご参考ください。
目次
前提として資格は重要ではない
資格だけで人物を評価するなら面接は不要です。ペーパーテストだけをやらせればいいわけですから。
就職活動は面接が重要視されていて、そこで見られているのは人柄です。
それが証拠となるデータはリクルートから公表した「就職白書」で明らかです。
※出典:就職白書
取得資格・語学力を重要視している企業は約10%しかありません。
つまり10社中9社は資格・語学力は重要視していないという事になります。
なぜ学生に資格を求めていないのか
さきほどの就職白書のデータを改めてご覧ください。
企業が学生に求めるのは「能力」ではありません。
学生の人柄であったり、ポテンシャル(可能性)や将来性を期待しているわけです。
改めて言いますが、即戦力が欲しいのであれば中途採用で十分です。
ですが、業界によっては入社後に取得しなければならない資格が色々あります。
そのためあらかじめ取得しておくと有利になったり、資格を持っていることで努力を伝えることができるので、就活を有利に進められるスパイスになることでしょう。
そんな資格をまとめてみました。
就職活動が有利になるおすすめ資格
著者である私は元企業人事として働いておりまして、その立場から就職が有利になる資格をいくつかピックアップしてみました。
TOEIC
おすすめ度:★★★★★
対象業界:全業界 アピール可能ライン:600点以上 |
TOEICは600点以上のスコアを出しているなら、履歴書・エントリーシートに書いたらある程度はアピール材料につながります。
中には楽天グループ株式会社のように入社までにTOEICスコア800点以上を求めている会社もありますが、そこまで厳しい会社は稀です。
現在日本の経済成長は停滞気味で、多くの企業が海外展開をしている背景もあり、グローバルに活躍できる人材を求めている傾向にあります。
そのため選考時や入社時にはTOEICスコアは求めていないものの、入社後の昇格時に一定以上のスコアを求められるというケースが多くなってきました。
TOEICである程度高いスコアを出したのならば、自信をもって履歴書・エントリーシートに書きこみましょう。
TOEFL
おすすめ度:★★☆☆☆
対象業界:全業界 アピール可能ライン:70点以上 |
TOEFLは「Test Of English as a Foreign Language」の略語で、TOEIC同様に英語コミュニケーション能力を測定するテストとなっております。
TOEIC600点をTOEFL に換算すると約70点くらいと言われており、70点以上あれば履歴書・エントリーシートに書いても問題ありません。
しかし難点としてはTOEICほどメジャーではなく、企業人事がスコアをパッと見たところで凄さが全くわからないという事です。
アピールにならないわけではありませんがTOEICの方がアピールにつながりますのでおすすめだったりします。
英検
おすすめ度:★★★☆☆
対象業界:全業界 アピール可能ライン:準1級以上 |
英検とは英語技能検定の略称で、小学生から社会人まで幅広い方を対象とした日本ではメジャーな英語検定試験です。
準一級となると実践的な英作文の問題が出題されたり、一級は英語でのスピーチが課されたり、使える英語力というのをアピールすることができるでしょう。
ただしTOEICほどの「使える英語」としてのアピール材料としてはやや乏しく、英検だけをアピールするのは避けたいところです。
TOEIC+英検としてアピールすると効果的でしょう。
日商簿記
おすすめ度:★★★★☆
対象業界:全業界 アピール可能ライン:2級以上 |
社会人の身につけるべき3種の神器として「英語」「会計」「パソコン」が挙げられているように、会計の初期的な知識として日商簿記の資格を取っておくと良いでしょう。
特に将来的に経理財務の部署で働きたいのであれば、もっておくと就職先に良いアピールができます。
日商簿記3級だと基本的な商業簿記だけの範囲ということで、履歴書・エントリーシートに書くとなるとちょっと弱いです。
日商簿記2級だと商業簿記に加えて工業簿記の範囲も加わりより実践的になります。
企業の中途採用で経理マンを募集する際に、要件に日商簿記2級とする企業も少なくありません。
FP
おすすめ度:★★★☆☆
対象業界:主に金融業界 アピール可能ライン:2級以上 |
FPとはファイナンシャル・プランナー技能検定のことで、お客様の資産に応じた貯蓄、投資などのプランの立案、相談に必要な技能を検定する国家試験となっております。
3級から資格はあるのですが3級は浅く広くという内容で、2級からがより深く実践的な内容となっております。
金融業界でも2級以上の取得を義務付けている会社もあるくらいなので、もっておくとある程度のアピールにはつながることでしょう。
宅建士
おすすめ度:★★☆☆☆
対象業界:主に不動産業界 アピール可能ライン: |
宅建士は「宅地建物取引士」の略称で、毎年20万人前後の受験者数を誇る最大規模の国家資格です。
不動産業界を志望しているなら必須の資格です。
また法律系資格のファーストステップとして勉強する人も多く、基本的な法律を理解しているというアピールをするのもありかもしれません。
また最低でも100時間は勉強しないと取得できない資格なため、「努力を認めてもらう」という意味でアピールするのも良いかもしれませんね。
行政書士
おすすめ度:★☆☆☆☆
対象業界:全業界 アピール可能ライン: |
行政書士とは、官公署に提出する書類、権利義務に関する書類、事実証明に関する書類の作成や提出手続きを行うことができる国家資格です。
企業の総務や法務といった部署で活躍できるチャンスもありますが、新卒でそういった部署に配属される可能性は稀です。
宅建同様に一応は難関資格とされておりますので、「努力を認めてもらう」という意味で履歴書・エントリーシートに書くのはありかもしれません。
運転免許
おすすめ度:★★★★★
対象業界:全業界 アピール可能ライン: |
運転免許を持っているだけでは直接的なアピールにつながりませんが、企業によっては営業で車を使うことが多く入社までに取得を義務付けている会社も少なくありません。
また運転免許は入社後に取得しようとするとかなり大変で、学生のうちに取得しておいた方が絶対に良いです。
通常の教習所だと30万以上費用が掛かり最低1か月以上も時間がかかります。
合宿だと最短13日程度で取得できますのでおすすめです。
無理して取らなくて良い資格
世間的には就活で評価されるといわれている資格も、実はそこまで意味がないという資格がいくつか存在します。
中途市場においてもそこまで評価されるというものでもないので、無理して取得しないでください。
ITパスポート
ITパスポートは情報処理技術者試験の一試験区分であり、「情報処理の促進に関する法律」に基づく国家試験となっております。
MOS
MOSとは「Microsoft office specialist」の略称で、Word、Excel、PowerPointなどの利用スキルを証明する資格となっております。
この資格を見させられたところで、「あー使えるんだね」くらいにしか思われません。
少し突っ込んだ言い方をしてしまうと、「Word、Excel、PowerPoint」は日々の業務ですぐ覚えますし、MOS資格レベルには日々の業務をこなしていけばすぐに到達します。
そこまで役に立つ資格ではありませんし、しかも受験料が1万円近くするという地味に高い資格なので無理に取得する必要はありません。
秘書検定
秘書検定は社会人が必要とするマナーや所作といったものを筆記・面接で評価する技能試験となっております。
勉強することでマナーを全般的に学んで、それを就活に活かすことはできますが、資格自体は難しいものでもありませんしこれを持っているからアピールにつながるというのは疑問です。
強いていうなら準1級以上を取るのもありかもしれませんが、他の資格とくらべても費やす時間に対してのリターンが少ない気がします。
まとめ
就活で資格を取ったからって有利になることは少ないです。
100時間かけて難関資格を取るのであれば、100時間友達に笑顔で話すトレーニングをした方が内定の近道です。
資格取得は、自己分析や面接練習など色々やりつくした後の最後のスパイス程度で良いと思います。
おしまい!