
人事部きゅうぞうです。
今日は調剤薬局の薬代を節約するための方法を考えてみたいと思います。
目次
料金体系がわかりづらい
調剤薬局の料金体系はとてもわかりづらくないですか?
患者という立場で、正確に把握している人ってどれだけいるんでしょうか?
ネットで調べてもわかりにくい言葉が並んでいて理解しにくい。
患者に文句を言わせないように、わざと複雑化しているのか?とも思ってしまいます。
しかもこの料金体系は2年に1回ごと見直しが行われます。余計に覚えられない・・・
今回、調剤薬局の料金体系をよく調べたところ、私たちの行動ひとつで料金が変わることがわかりました。
今日は料金体系をどなたでもわかるよう、ご紹介したいと思います。
調剤薬局の料金体系
日本の医療に係る値段は全て国が決めています。
そのため、各調剤薬局が扱う「処方薬」はスーパーマーケットのように値引きセールを行う事はできません。つまりは全国どの調剤薬局に行っても「薬」に支払う料金は一緒なわけです。
実は調剤薬局へ支払う料金は「薬」だけの料金だけではありません。
全ては下記「調剤報酬点数表」の通りですが少々わかりづらいです。
私ができる限りわかりやすくお伝えします。
調剤技術料

調剤技術料は調剤基本料と調剤料という二つで構成されています。
調剤技術料=調剤基本料+調剤料
ざっくり言うと、調剤基本料はその薬局に対する入場料金みたいなものです。
調剤料は薬剤師の専門的仕事に対する手数料みたいなものです。この手数料はどの調剤薬局に行っても同じ料金を支払う事になります。(薬によって料金変動あり)
調剤基本料(入場料金)は調剤薬局ごとに異なります。

調剤基本料
調剤基本料は大きくは3種類存在します。
※3種類以上存在しますが割愛します
・調剤基本料3(20点=200円)
同一グループの保険薬局の処方せんの受付回数の合計が月40,000回超のグループに属する保険薬局であり、かつ以下のいずれかに該当。
イ)集中率95%超
ロ)特定の保険医療機関との間で不動産の賃貸借取引がある
調剤薬局を経営している会社で、月間40,000件を処方箋を受け付けている会社がこれにあたります。30店舗以上経営している会社は大体がこれに該当します。
例えば1つの病院だけの処方箋を扱っていたら、集中率100%。
色々な所からの処方箋を受け付けているようなドラッグストアなどは集中率は低くなります。
複数店舗を展開している会社で、大きな病院の前にある調剤薬局だとほとんど調剤基本料3(20点=200円)に該当するかもしれません。
・調剤基本料2(25点=250円)
処方箋受付回数および集中率が、次のいずれかに該当。
イ)月4,000回超 かつ 集中率70%超
ロ)月2,000回超 かつ 集中率90%超
ハ)特定の保険医療機関に係る処方箋が月4,000回超
大きな病院前の薬局はもちろん、個人クリニックの前にある薬局がこれに該当しそうです。
・調剤基本料1(41点=410円)
調剤基本料2、調剤基本料3 以外
調剤基本料2あるいは3に該当しないのがこれにあたります。
医療モールの処方箋を受け付けている薬局や、色々な処方箋を受け付けているドラッグストアやスーパーやショッピングモール内の薬局がこれに該当しそうです。
週刊誌でよく目にする、
「大型病院」の前で薬を受け取ると安いというのはこのためです。
なお、一定の基準をクリアした薬局には以下ボーナスポイントが与えられます。
※患者の負担が増えます
基準調剤加算
薬局側が23項目ほどある条件を全てクリアすると、入場料+ボーナスポイントが与えられます。
一例を挙げるとこのような感じです。
- 開局時間(営業時間)が長い
- 薬品の在庫が多くある
- ベテラン薬剤師が管理者として在籍している
- 定期的に研修を行っている
- 薬局内がプライバシーに配慮した造りとなっている
クリアした薬局は32点(320円)を患者からプラスして徴収する事ができます。
この基準調剤加算は、私たち患者は支払拒否ができません。
しかし、国で決められた条件をクリアしている薬局なので、値段以上の「安心・信頼」という価値を感じられるかもしれません。
後発医薬品調剤体制加算
国は医療費削減のため、ジェネリック医薬品の推奨をしています。
そのジェネリック医薬品の調剤をがんばった調剤薬局には、入場料+ボーナスポイントが与えられるのです。
- 後発医薬品の調剤数量が65%以上の場合・・・18点(180円)
- 後発医薬品の調剤数量が75%以上の場合・・・22点(220円)
調剤薬局としては、売り上げを上げるためジェネリック医薬品の変更に必死になるわけです。
私たちがジェネリック医薬品を選ぶ選ばないに関わらず、料金を徴収されます。
レベルが高い薬局は高い
色々な取り組みをしている薬局は、料金が高くなる可能性があります。
調剤基本料+基準調剤加算+後発医薬品調剤体制加算
レベルが高い(意識が高い)薬局で薬を受け取ると、入場料以外に基準調剤加算と後発医薬品調剤体制加算を支払う事になるかもしれません。
薬学管理料

調剤薬局には病院でいうカルテのような個人情報を管理しています。
それを「薬歴」といいます。
その薬歴の管理だったり、薬剤師による薬の指導・説明にかかる料金が薬学管理料です。
調剤薬局で薬を受け取ると、最低50点(500円)徴収されます。
ただし、これが38点(380円)になる条件があります。
【38点の条件】※すべて該当
・一度来局した薬局を6か月以内に再来局
・お薬手帳持参
・調剤基本料1に該当する薬局で薬を受け取る
薬学管理料:50点(500円)もしくは38点(380円)
※38点は調剤基本料1に該当する薬局で再来局+お薬手帳持参
何度も病院に行く人は、お薬手帳を持参のうえ前回と同じ薬局に行くのが良いですね。
かかりつけ薬剤師制度
なお最近では「かかりつけ薬剤師」というのが始まりました。
かかりつけ薬剤師から指導を受けると、上記薬学管理料の50点(もしくは38点)が70点(700円)となります。かかりつけ薬剤師には希望する薬剤師を指名する必要があります。
なお、かかりつけ薬剤師とは患者の服薬状況、健康にかかわる情報を一元管理をして健康サポートをしてくれる薬剤師のこと。

通常よりお金を支払う代わりに、自分の健康をしっかりサポートしてくれる薬剤師さんが担当に付くイメージです。
薬剤料

「薬」の料金。薬価とも言われています。
薬剤料は国で定められており、どの調剤薬局にいっても変わりません。
スーパーの野菜のように、「あそこに行けば安い」というような事はまずありません。
特定保健医療材料料
注射や点滴などの医療用具の料金。
調剤薬局の料金を安くする方法

上記内容を踏まえて考えると、安くするためのポイントが見えてきました。
大きな病院の前の薬局を選ぶ
調剤基本料3の可能性があり、安くなるかもしれません。
意識が低そうな薬局を選ぶ
大手の薬局や意識の高い薬局は、後発医薬品調剤体制加算を算定している可能性があります。
お薬手帳はできるだけ持っていく
安い高いは置いておいて、医師・薬剤師に向けての情報提供として必要かと。
かかりつけ薬剤師は断る
かかりつけ薬剤師を指名すると、320円~200円ほど割高になります。
個人的には今のところ、金額以上のメリットがないと思っていますので、断っても良いと思っています。
ジェネリック医薬品(後発医薬品)を使う
ジェネリック医薬品を使用すれば、薬の価格は2~6割ほど抑えられます。
ジェネリックが不安であれば、分割調剤という1部だけをジェネリックにするというお試しもできます。
あとがき
大きい病院の前で薬をもらったほうが安くなる可能性が高いです。
しかし交通費を出してまで行くほど、安くなるわけではありませんのでご注意を。
・・・安いのが良いとされる風潮はありますが、私は多少高くても安心できる薬局で薬を貰いたいです。